インタビュー

広瀬久美子さん

千葉県市川市生まれ。早稲田大学文学部国文学科卒業後、NHKに入局、アナウンス部に配属される。テレビ「週刊ボランティア」「平成世の中研究所」「NHKスペシャル」「きょうの料理」「婦人百科」「趣味の園芸」、ラジオ「みんなの茶の間」「午後のロータリー」「土曜サロン〜広瀬久美子のラジオワイド」など数多くの番組を担当。同時に文部省、経済企画庁、総務庁の審議委員を歴任。2000年8月、NHKを”卒業”後はフリーに。東京成徳短期大学講師もつとめる(平成14年3月まで)。現在は、講演、執筆、テレビ、ラジオへの出演などと、環境省「地球温暖化防止のための〜環の国くらし会議」委員、全国社会福祉協議会・運営委員、ヒューマンアニマルボンド学会理事、長野県上伊那郡飯島町の「ふるさと大使」などで活躍中。

著書のご紹介

※上記プロフィールは取材当時のものです。

Interview vol.03 広瀬久美子さん

NHKアナウンサー

他人がマネできない仕事をやり遂げる、それが私にとっての「金メダル」。

Q1.現役時代に1番辛かったことは?また、その辛さをどのように克服されたのですか?

NHKのアナウンス室にいて、本当に毎日のようにやめようと思ってましたよ。夜中に泣きながら読みの練習をしたり、つらいことを書き綴ったノートも残ってます。でも「どうして続けたの?」と聞かれると、「意地とケツマクリよ!」って言うの(笑)。美空ひばりさんの「人生一路」という歌の中に、「胸に根性の炎を抱いて」という一節があるんです。「決めたこの道まっしぐら」。そんな風に私はひとつの世界しか知らないけれども、もっと他の可能性があったかもしれない、という気持ちはあります。私も外交官になりたいと思ったことがありますし、若い頃は希望の風船がいっぱいありますよね。局アナからキャリアアップして活躍するステージを広げるのも素晴らしいこと。留学とか、世界にはばたくということが今は必要だし、できる限りやってほしいと思います。最近TVで、オリンピックで活躍する日本人選手の姿を見ていて「ハッ」と思いました。彼らのこれまでの努力は本当に計り知れないほどのもの。私も努力してきたつもりだけど、退職してからは自分を甘やかしているところがある。私はいったい何をしているの?と思って、こないだは4時まで徹夜して長編を一本書き上げて、そのあとさらに短編を一本書き上げた(爆)。珍しく触発されましたね。

Q2.アナウンサーという仕事について・・・

アナウンサーは、見知らぬ人から「がんばって」と言われるという点で、スポーツ選手と相通じるところがあります。いつまでもファンでいてくれる人たちがいる、というのも私にとっての金メダル。そしてどんな形でも、努力をして「ああよかったなぁ」と思えることも人生の金メダルじゃないかしら。自分で勝ち取るものだから、努力しだいでいくつでも取れますよ。それこそ北島選手も超えられるかも(笑)これからも「ヒロクミにしかできない」仕事をやっていって、私にとっての金メダルを増やしていきたいと思います。

Q3.元局アナnetについて・・・

拝見しておもしろいと思いました。こういうものってなかったでしょ?アナウンサーって群れるのも嫌いだし、内心「自分がイチバン!」と思ってたりして(笑)。他人と自分とを比べ過ぎてストレスになったりしたらダメだけど、こういったものを通じて、人の話に耳を傾けるのはいいことなんじゃないかなと思いますよ。いろいろな企画も楽しみにしています。

(2004/08/20 椿山荘にて)

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