インタビュー

下村健一さん

株式会社セラフ所属

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1960年東京都生まれ。東京大学法学部政治コース卒業後、1985年TBSに入社、報道局アナウンス班に配属される。「ビッグモーニング」や「スペースJ」など報道・情報番組を担当する中、男性としては日本のTV界で初の“育児休暇”を取得し、話題に。ニューヨークの特派員を務めたあと、1999年にTBSを依願退社。そのまま次の定職に就かず、第2子の“自主的”育児休暇に入る。2000年に(株)セラフに入社し、メディア事業部長に就任。現在は市民メディアの育成をライフワークとして、市民グループの映像リポート制作アドバイザーや、学生・子供たちを対象にした「メディア・リテラシー」の授業に全国を奔走する傍ら、TBSテレビ『筑紫哲也NEWS23』内「それから七十五日」リポーター、TBSテレビ『みのもんたのサタデーずばッと』内「ずばッとリポート」取材リポーター、TBSラジオ『中村尚登ニュースプラザ』内「下村健一の眼のツケドコロ」などに出演している。

著書のご紹介

※上記プロフィールは取材当時のものです。

Interview vol.04 下村健一さん

TBSアナウンサー

元局アナは、「情報を発信できるスキル」を持っている。それをいろんな場面で活かしてほしい。

Q1.「現役アナ」と「フリーアナ」時代の違いは何でしょう?

局アナ時代と違うこと、それは自分で仕事が決めていけることですね。今は週一回くらい番組に出演しながら、好きなことをやっています。フリーになると、「食っていかないといけない」というのは現実問題としてありますよね。TBSをやめるときにまず考えたのが「結婚式の司会」。これはめちゃくちゃ自信があるし、不況でもなくならない(笑)。実際には他に収入源があるから結婚式の司会をやることはありませんが、これをセーフティーネットにして、安心して好きな仕事をしています。

Q2.現在のお仕事について教えてください。

今ぼくがライフワークとしているのは、市民メディアの育成なんだけど、例えば小中学校で、かつて壁新聞を作っていたように、地域のお祭りや学校の紹介ビデオをつくる。しかし、それを教えられる人が少ないんです。不特定多数の人に向かって何かを伝える方法論は、学校では教わらないでしょう。カメラ付携帯とかパソコンとか、いい道具はあるのに、使う人が情報発信のスキルを持っていない。鮮度のいい情報もあるし、伝えたいモチベーションもある人たちがいるのにもったいないと思いませんか。

Q3.元局アナにむけて一言!

元局アナの人たちは、情報発信できる特殊技能を、毎日の仕事の中で身に着けてきたわけです。 みんな気づいてないかもしれないけど、本当にすごいスキルなんですよ。日本中でわずかしか持ってない、しかもこれからの日本人みんなが必要とするスキル。たとえば小学校でそれを伝えたら、子供たちが変わっていきますよ。TVの見方も変わるし、インタビューを体験すると、授業で質問ができるようになる。日本中で目からウロコがボロボロ落ちる音がして、既存メディアの独占状態から、市民がうまく情報発信できる時代へと変えていくことも可能なんです。元局アナが地方メディア、市民メディアに貢献できることは、本当にいろいろあります。TVやラジオに出ることだけでなく、そういった役割もこれから大いに担っていってほしいと思いますね。

Q4.元局アナnetについて・・・

「局アナ」っていう段階でおもしろいし、「元」っていうことだと、新しいことをやろうというスピリットを持っているわけだから、よりおもしろい。放送業界で同じようなことをやってる人ばかりだとつまらないけど、真新しいことを始めてる人を紹介していけば、お互いどんどん刺激を受けあって、次に新しいものが生まれて・・・いい「畑」ができたなあと思います。

(2004/08/31 赤坂にて)

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