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局アナnetインタビュー

鈴木沙奈恵さん

関西学院大学商学部卒業後、静岡エフエム放送㈱に入社。朝帯の生ワイドのパーソナリティを中心に、夜帯のリクエスト番組のディレクションなど5年間制作現場を担当。その後、インターネットラジオコンテンツのプロデュースなど局のインターネット・モバイルサイトのWeb Masterとして一切の企画運営に携わる。2002年、㈱ディーツーコミュニケーションズに入社。メディアセクションで放送局・新聞社サイトをはじめとするモバイル広告の媒体開拓・商品企画の他、配信システムの開発、業界標準規格の策定など、様々なプロジェクトを手掛ける。

※上記プロフィールは取材当時のものです。

Interview vol.16 鈴木 沙奈恵さん

NHKアナウンサー

「放送が一番、自分の健康や生活は二の次」という厳しさから解放され、今は自分や周りを大切に思える幸せをかみしめています。

久しぶりの元局アナnetインタビュー。今回は、NHKの契約アナから大手有名商社の人事部への転職に成功された、鈴木沙奈恵さんです。なぜ、アナウンサーの仕事を辞めることを思い切ったのか、また転職を成功させてからの充実した生活について、お話いただきました。

Q1.アナウンサーになったきっかけを教えて下さい。

NHKの契約アナウンサーとして活躍された鈴木さんですが、アナウンサーを目指したきっかけと、アナウンサーになってからの生活について教えてください。

もともとアナウンサーになったきっかけは、母でした。「あなたはアナウンサーに向いているから」と母に勧められたから・・・当初興味がなかったのですが、通い始めてその縁で、学生時代からCSのチャンネルでニュースを読む仕事を始めました。

その流れで、地元のNHK水戸放送局に契約アナウンサーとして就職。やりがいのある仕事だと思う反面、最初は画面に出ることが、喜びというよりむしろ恐怖や緊張のほうが強く、家族や親友にしか出ることを打ち明けず、口止めしているほどでした(笑)。周りに期待される自分をつくらなきゃ、という責任感で必死でした。貴重な経験をたくさんさせて頂きましたが、やがて仕事に慣れて自分を振り返るようになると、だんだんアナウンス業に対して疑問をもつようになりました。次に移った新潟放送局ではやりたかった報道記者も経験させていただいたことで自分の中で一つの納得を得ることができ、2007年3月末でNHKを退職しました。

Q2.NHK退社後の生活はいかがでしたか?

その後、CATVや一般企業に入社されたとの事ですが、その生活はいかがでしたか?

CATVや一般企業では、やりたいことが見つけられずどちらも短期間でやむなく退職。こんな私を、次はどんなところが雇ってくれるだろう、ということで、転職ポータルサイトに登録してみました。すると数社からスカウトが来て、結局3ヶ所の紹介会社に登録をしました。紹介会社の方は、履歴書や職務経歴書の書き方も全てアドバイスしてくれて、とても助かりました。大企業のほうがいい、業種・職種は問わないという希望を出すと、紹介会社の方は秘書や人事など、20社ほどの企業に書類を提出してくださいました。マスコミという経歴に対して偏見をもつ企業もあったようでしたが、そういったところは書類が通過しないので、逆に面接で嫌な思いをせずにすみました。書類が通過して面接に至ったのは3社。うち、現職も含めた2社から内定をいただきました

Q3.転職後の生活について教えてください。

アナウンサーからの思い切ったキャリアチェンジを実現した鈴木さん。転職の経験から得たことを教えてください。

今の人事という仕事には、NHKで培った「仕事の正確さ」が活かせているのでは、と思います。会社も、私に経験がないのに期待してくれて、励ましてもらいながら仕事ができています。会社が自分を大事にしてくれるからこそ、自分も会社を大事に思い、家族、友人も大事にできる。マスコミにいたときは、まず放送が一番、自分の健康やプライベートは二の次。そういう厳しさがないと評価されない世界でしたが、今はやっと自分や周りを大切にできる余裕が生まれて、幸せに思っています。

転職活動をして、アナウンス経験のある人を活用したい、と考えるのはマスコミ業界だけじゃないことがわかりました。局アナって仕事に愛と情熱をもって取り組める人たちなので、そういう人を受け入れてくれる会社は必ずあると思います。

もし今迷っている方がいらしたら、外からの目を気にする前に、まず自分自身の希望を見つめなおしてほしい。30歳や40歳になったときに自分がどうありたいか。プライドを捨てて知らない世界に飛び込んでみたら、安定した生活や充実したプライベートなど、これまでと違った幸せが味わえると思いますよ。

(2008/05 東京・赤坂にて)

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